府中市 手話通訳の公費負担を | 府中市議会議員 おぎの雄太郎
府中市議会議員のおぎの雄太郎です。
近年、聴覚障害者や発話に困難のある方に対する情報保障やコミュニケーション支援の重要性が、全国的に高まっています。
行政手続だけでなく、病院への連絡や家族とのやり取り、緊急時の通報など、日常生活のさまざまな場面において、「電話を利用できる環境」は社会参加に欠かせない基盤のひとつです。
そのような中、千代田区では、2026年5月から「電話リレーサービス地域登録事業」を開始しました。
これは、聴覚障害者や発話困難者などを対象に、電話リレーサービスの利用料を区が全額公費負担するもので、都内でも先進的な取組として注目されています。
電話リレーサービスとは、手話や文字によるやり取りと音声通話を、通訳オペレーターが仲介する仕組みです。
これにより、聞こえに困難のある方でも、病院や行政機関、店舗、家族などへ電話で連絡を取ることが可能となります。また、24時間365日利用でき、110番や119番などの緊急通報にも対応しています。
今回の千代田区の特徴は、単に「行政窓口との連絡手段」を整備するだけでなく、日常生活全体におけるコミュニケーション手段として支援している点にあります。
利用料を自己負担なく利用できる環境を整えることで、情報格差の解消や社会参加の促進につながることが期待されています。
また、対象についても、身体障害者手帳所持者だけでなく、医師の診断により難聴や発話困難と認められる方も含まれており、幅広い支援につながる制度設計となっています。
近年は、行政DXの推進に伴い、オンライン手続やデジタル化が進んでいますが、一方で、情報へのアクセスやコミュニケーションに困難を抱える方への配慮も、ますます重要になっています。
便利さを追求するだけでなく、「誰一人取り残さない」という視点を持ちながら制度を整えていくことが求められていると感じます。
また、電話リレーサービスは、災害時や緊急時にも重要な役割を果たします。
安心して暮らせる地域づくりのためには、防災や福祉の観点からも、情報保障の充実が必要です。
現在、東京都内でも、大田区や江東区では、区役所への問い合わせに手話通訳オペレーターを介して連絡できる「手話リンク」の導入が進められており、自治体による情報アクセシビリティ向上の取組が広がっています。
その中でも千代田区のように、日常生活全体の電話利用まで支援する事例は、今後の自治体施策の一つの方向性として参考になると感じます。
府中市においても、誰もが安心してコミュニケーションを取ることができる環境づくりに向け、こうした先進事例を研究しながら、情報保障や意思疎通支援のさらなる充実について検討していくことが重要だと考えます。
私自身も、誰一人取り残されることのない地域社会の実現に向け、府中市でもこうした取組が進むよう提案・研究を続けてまいります。