府中市 大田児童相談所の新設と多摩地域の相談体制を考える | 府中市議会議員 おぎの雄太郎
府中市議会議員のおぎの雄太郎です。
東京都では、児童相談体制の強化に向けた再編が進められており、2026年8月には大田区内に新たな「東京都大田児童相談所」が開設されます。相談件数の増加や支援ニーズの高度化を踏まえ、管轄区域の見直しや職員体制の充実を図ることで、虐待対応や一時保護などの専門的支援を切れ目なく実施できる体制整備が進められています。
今回の再編では、従来の品川児童相談所が担ってきた区域の一部が大田児童相談所へ移管され、地域の相談体制をより適正化することが目的とされています。また、大田区では区独自の相談機能である「おおたこども家庭センター」を同一施設内に設置し、都の児童相談所と区の相談窓口が一体的に連携できる体制が整えられます。これにより、虐待対応や家庭支援に関する相談が同じ建物内で完結し、情報共有や支援の連続性が向上することが期待されています。
児童相談所の設置をめぐっては、23区と多摩26市で制度上の位置付けが異なります。23区は特別区として中核市に準じる権限を持ち、児童相談所を区が単独で設置することが法律上認められています。一方、多摩地域の26市は中核市ではないため、市が児童相談所を設置することはできず、東京都が設置する児童相談所の管轄下で相談支援を進める体制となっています。
ただし、制度上は設置可能な23区であっても、単独設置を維持することは容易ではありません。児童福祉司や一時保護所職員など、専門性の高い人材の確保が難しく、十分な人員体制を維持できない自治体も見られます。こうした状況から、単独設置を断念し、都の児童相談所と連携する体制へ移行する区も出てきており、専門人材の確保が児童相談所運営の大きな制約となっています。
多摩地域の26市では、市が児童相談所を設置できないため、東京都が設置する児童相談所が広域的な相談機能を担っています。府中市の管轄となる児童相談所も複数市町村を対象としており、相談件数の増加に伴い、広域管轄による負担が大きくなっているのが現状です。管轄区域が広すぎることで、地域ごとの実情に応じた迅速な対応が難しくなる場面もあり、市の子ども家庭支援センターや基幹保育所の役割が一層重要になっています。
東京都が進める児童相談所再編は、こうした広域的な相談体制の課題を踏まえ、管轄区域の適正化や職員体制の強化を図るものです。府中市としても、都の再編を踏まえ、市の相談機能をより充実させ、地域の子どもと家庭を支える体制を強化していくことが求められます。広域の児童相談所と地域の相談窓口が補完し合うことで、必要な支援につながる仕組みがより確かなものとなります。広域の相談体制で生じる課題にも目を向けながら、地域に寄り添った支援が行き届くよう、都との連携を着実に進めてまいります。